モラルハラスメント、通称モラハラとは、人を精神的に追い込んでいく事を言います。三船美佳さんと高橋ジョージさんの離婚問題でモラハラという言葉が世の中に浸透しましたが、モラハラは夫婦間の事だけでなく、会社などでも精神的暴力、精神的虐待があればモラハラです。
モラハラという概念は、フランスの精神科医、マリー・フランス・イルゴイエンヌによって提唱されました。精神的に追いつめられて、恐怖でいっぱいになり、反論する事も出なくなる、そんな目に見えない暴力に苦しんでいる人は、世界中にいます。
モラハラと法律
2002年1月には、フランスで、職場におけるモラル・ハラスメントを禁止する法律が制定された。2004年、モラル・ハラスメントは犯罪となり、実刑懲役1年と1万5千ユーロの罰金となる。[61]、2014年8月の法改正により、懲役2年、3万ユーロの罰金(被害の深刻度により実刑・罰金は変動する)。
1993年、スウェーデンでは、企業におけるモラルハラスメントが犯罪として認められる。wikipedeiaより
現在、スウェーデン、フランスでは法律が制定されています。ちなみにフランスの刑罰で、電気ブレスレットという、被害者に加害者が近づくと警報が通知されるブレスレットの着用を強制されるそうです。
モラハラ被害の体験談
ここで、モラハラ被害にあった方の体験談を紹介します。
私が彼の浮気を知っていると仄めかした日から、私たちの生活は一変しました。ほとんど会話もなく、どうしようもない緊張感に包まれていたのです。(略)
呼吸が止まりそうなほど、苦しい空気がそこにあったのです。
家庭内でのモラハラは、加害者が自分に否がある状況になると、被害者を無視し始めるケースがとても多いです。そして、被害者はそのなんとも言えない恐怖にただただ怯えてしまうのです。しかし、暴力をふるわれたわけでもないため、人に相談する事もなかなか難しい。
モラハラ被害者は自分がガマンをしていれば、そのうち良くなっていくんじゃないだろうか。とにかく耐えて、加害者の機嫌が治るまで待つしかない。こんな精神状態になっていってしまうのです。
どこからがモラハラなの?
実際問題、モラハラなのか喧嘩なのか、判断する事はすごく難しい部分があります。特に家庭内のモラハラの場合、一緒に生活していれば口論する事も喧嘩する事もありますよね。ただ、夫婦喧嘩の場合は、喧嘩した後「言い過ぎたな、悪かったな」と、お互い罪悪感みたいなものを感じて、仲直りをしていきます。
ところがモラハラの場合は、「お前が悪いんだ、謝れ。」と、自分は間違っていない。自分は正しい。と、相手を思いやる気持ちではなく、一方的に自己主張を押し通す事だけを考えているように思います。そのため、モラハラ加害者とは、話し合いで解決は難しいんです。ただし、それが親・友人など第三者を介すると態度は全然違ってきます。良い人を装う事に長けているため、注意が必要です。
例えば、モラハラ被害をうけた妻は夫にうんざりして、実家に帰ったとします。すると、モラハラ夫は実家まできて、「自分が間違っていた、言葉が足りなかった、不器用ですまない」など、泣いて土下座して謝ってくる事もあります。その姿を、あなたが見れば、良心を刺激されてしまいますし、親がみれば、「コミュニケーションが足りなかったんだな。ここまでしてるんだから、許してもいいんじゃないか?」という気持ちが芽生えてしまいます。
ただ、モラハラ加害者は演技派で、嘘をつく事になれていて、ナルシストです。そのため、「妻のために泣いて土下座をしている俺」に酔っているケースもあるのです。ドラマの主人公にでもなった気分でしょうか。あなたのために、謝罪をしているわけではないのです。
モラハラチェックリスト
モラハラ加害者側のチェックリスト
- 無視をする。
- あなたが作った料理を食べない。あてつけのように自分で料理をしたりカップラーメンを作ったりする。
- 怒鳴って命令する。
- 長時間にわたって、しつこく追いつめる。
- 土下座を強要する。
- あなたの私物を勝手に捨てる。
- 大きな物音で威嚇する。
- 「殺すぞ」「死ね」など平気で言う。
- 「ブス」「デブ」「バカ」「使えない」「役立たず」と外見や学歴、職歴に対して悪口をいう。
- 人前でもあなたの悪口をいって恥じをかかせる。
- 家から締め出す。
- あなたの友人、親兄弟の悪口をいって孤立させようとする。
- 異常に嫉妬する。メール、ラインの返信が遅かったり、電話に出ないと怒る。
- 服装、髪型など押し付ける。
- 仕事につかせず制限する。
- 趣味などを制限する。
- 友人との交流などを制限する。
- 生活費を渡さず、あなたの支出に対して細かくチェックする。
- あなたが病気になっても、看病しない。病気でも家事を強いる。
誤解しないで欲しいのは、いくつかあてはまったから、モラハラというわけではありません。ただし、モラハラ加害者は異常な嫉妬心があり、コンプレックスが強いと思います。コンプレックスの強さから弱者を見抜くのがうまくなるという、狡猾さがあります。
モラハラ被害者側のチェックリスト
- 機嫌を損なわないようにいつも気を使っている。
- 頼まれた事は嫌な事でも、ガマンして応じる。
- 間違っていると思っても、反論できずに流してきく。
- 自分の意見や好みはあきらめる。
- 気が乗らない事でも、付き合い楽しそうに振る舞う。
- 加害者がいないと解放でいっぱいになり、いると威圧感を感じて苦しくなる。
- 外出すると、早く帰らなくちゃと不安になり、遅くなると言い訳しなくてはと思ってしまう。
- 趣味等楽しみがなくなった。
モラハラ被害をうけている方の特徴的な部分です。中には、加害者がいない場合でも、簡単な失敗をした時に、モラハラ加害者の怒鳴り声が聞こえた気がしてしまう、というぐらい心理的にダメージをおっている事があります。自分自身の素直な気持ちを押し殺す生活を続けるうちに、人に意見する事が出来なくなり、自分の判断力を失っていってします。
モラハラの最大の特徴
モラハラ加害者の最大の特徴は、モラハラという事を教えたとしても「自分はモラハラではない」と思っている点だと私は思います。
カウンセリングを受けにいこう。と言って、仮に一緒にいったとしても、医師の前でモラハラ加害者は演じます。そこでも、頭の中では、何かのドラマの主人公になっているのでしょう。心の底から治したい、なんて思っていないんです。ですので、モラハラを治療していって、良くしていけば、というのは非現実的だと思います。
モラハラが続くとどうなる?
ストレスが続けば続くほど、あなたの体調は悪くなっていきます。肌荒れ、白髪、便秘下痢、生理不順、耳鳴り、頭痛といった不調から、あなた自身も余裕がなくなり、常にイライラしたり、不安でかられたり、不眠症になったり、物忘れが激しくなったり、うつ病にもつながっていきます。それだけなく、子供への影響もあります。
モラハラに対してどうしたらいいの?
あなた自身が、モラハラ被害を受けている、と感じたらとにかく逃げるが勝ちです。日本ではまだ法律が制定されていませんので、警察に通報する事もできないのです。ただし、結婚をしているのならば、普段の出来事を証拠となるように、着実に記録を行っていきましょう。日々あった事は日記に。物を壊すなどがあった場合は、加害者のいない時に、写真をとっておく。暴言がある、怒鳴り散らす事が多い場合は、ICレコーダーなどに録音しておく。
こういったデータはパソコンだけで管理すると、発見された時に証拠隠滅を計られるため、USB、ネット上の保存出来るサービスなど、必ず複数のバックアップを使う事。
もし友達、家族がモラハラ被害をうけていると感じたら、とにかく引っ張りだして、保護してあげて下さい。そして、加害者がきた時、演技かどうか判断するためにも、一度や二度の謝罪、反省では判断してはいけません。じっくり時間をかけて、相手を観察してみてください。