離婚調停の手続きが済み、通知を受けたら実際に出頭することになりますが、当事者が出頭するのが原則となります。これを、「個人出頭主義」といいます。出頭できない場合は、家庭裁判所にその旨をあらかじめ書面や電話で連絡しないといけません。しかし、連絡があっても、特別な理由もなく出頭しない場合は、5万円以下の過料を徴収されることになります。
相手が調停に出頭しない場合、家庭裁判所はまず呼び出しを何度か行います。呼び出しを何度も重ねても出頭して来なければ、調停は不成立となるか、取り下げになってしまいます。なお家庭裁判所はこの場合、相手方に対して過料5万円以下以外の強制力を持ちませんので、もし離婚をあきらめられないのであれば、家庭裁判所あるいは地方裁判所に民事裁判の申し立てをすることになります。
なお、「離婚調停」のような家事事件は、「調停前置主義」(離婚裁判の前にまずは調停)の建前があります。ですので、仮に相手が来ない可能性が高いと事前に思われるときであっても、まず調停を申し立てなければいけないことになっています。早く離婚したいけれど、相手がどうしても出頭に応じて来ないなど態度が悪く、改善の見込みがないようであれば、離婚調停は早めに取り下げにして、裁判を起こした方が賢明ではあるでしょう。
相手が欠席をし、不成立になった後は?
離婚をしたいけれど、相手が調停で欠席をするとなると、裁判だと思う方も多いかもしれません。しかし、裁判の前に考えて欲しい事があります。それは、相手に離婚の意志があるかどうか、です。相手が離婚の意志がなければ、DVや浮気等の理由でない限り、裁判を起こしたところで、勝つのは難しいです。特に、性格の不一致というオーソドックスな理由では難しいでしょう。
しかし、相手にもあなたにも離婚をしたいというはっきりとした意志があれば、成立させる事が出来るでしょう。最悪、相手欠席の裁判で離婚成立もありえます。
トラブルにはどう対処したらいい?
離婚調停で受けるかもしれない嫌がらせには様々なケースがあります。例えば、脅迫してきたり、物理的な暴力を振るってきたり、お金を奪ってきたりなどがあります。特に、今挙げた例のような嫌がらせの場合、刑法に触れている犯罪なので、警察に届け出る必要があります。その際に、証拠を保存しておく(嫌がらせの記録である録音や写真、日記、被害届)と、警察に説明する時のみならず、後々、裁判になった時も証拠を提出できて便利です。なお弁護士など代理人がいる場合には、まず代理人に相談して、相手方に嫌がらせを止めるように警告して貰いましょう。もっとも代理人と相談しても、どちらにしても警察へ届け出ることに変わりはありません。
嫌がらせを受けていても、調停に欠席しないように注意をしましょう。欠席すると逆に不利になります。無断欠席や特別な理由のない欠席は5万円以下の過料の対象になりますし、また自分で申し立てた調停に何度も欠席すると、調停を取り下げられてしまいます。むしろ、嫌がらせを受けていたら、調停委員に嫌がらせの事実を告げ、証拠を見せて、自分が置かれている状況を説明して納得して貰いましょう。調停委員が真面目に話を受け取ってくれれば、相手が調停で不利になります。
また調停は弁護士に代理人を頼む事も出来ます。
交渉に自信がない、一人で不安な事が多い場合は、弁護士のノウハウなども含めた戦略がある事で有利になる事もあるでしょう。
離婚調停で弁護士へ依頼する場合どうするかはこちらを参照。
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